自己資本比率(別名:株主資本比率)で分かる事は…
その株(企業)は借金が多いのか?少ないのか?という事です。
結論を書きますが、一つの目安として自己資本比率「30%以上」が安定経営の企業、株と言えます。
どうせ買うならば当然ですが借金は少ないに越した事はありません。借金塗れの株(企業)は危なっかしい感じがありますよね。
自己資本比率というのは「返す必要の無いお金」が企業の財産の中でどれくらいの割合を占めているか?を表した数字なのです。
この「返す必要の無いお金」というのは「株主からもらったお金」と「企業の利益の中からこつこつ貯めたお金」の二つから成り立っています。
これまた当然ですが自己資本比率が高いほど財務、経営は安定している(≒借金が少ない)と言えます。見かけ上その企業に資産が多く見えても借金して買ったものであれば話は別です。本当の意味での資産とはなっていないからです。
2006年現在、金利は徐々にですが上昇傾向にあります。借りたお金に対する利子も当然ながら増える傾向があるわけです。
そのような現状では借金が多い企業では借金の返済(借金に対する利子が上がる)に多額の利益を持っていかれる可能性もあります。借金が多いという事は企業にとってマイナスな要素になりそうです。
もう一度書きますが、一つの目安として自己資本比率「30%以上」が安定経営の企業、株と言えます。
更にこれは自己資本比率の高い企業(株)でしばしば起こる事なのですが、高い、自己資本比率の企業(株)は企業買収のターゲットになり易いという性質もあります。
借金が少なく余剰の資金を溜め込んで、安定的な経営を続ける企業(キャッシュリッチな企業)はしばしば企業買収のターゲットとなります。歴史的に見てもユシロやソトーなどの自己資本比率の高い企業は外国の投資ファンドから目を付けられ実際に買収をしかけられました。
結果として両社共に買収は免れましたが、両社が買収を切り抜ける為に取った策というのは株主にとって非常に魅力的な物でした。
1株配当を200円以上にするという株主への還元政策をとり買収に応じないよう一般の株主に要請したからです。
当然ながらそのような魅力的な話しに投資家は飛びつきます。株は買われ値を上げました。
結果として買収をしかけた米国の投資ファンドが提示した価格よりも株価が上回り買収は不成立に終わったわけです。
借金が少なくお金を溜め込んでいるこのような企業(自己資本比率が高い企業)が内部に溜め込んでいたお金を株主に返す事で一応の決着をみたのです。
自己資本比率が高い企業というのはこのように企業買収のターゲットになりやすくその結果は株主にとって増配、株価上昇というメリットをもたらしてくれる事があります。
倒産ぎりぎりの安い株(ボロ株)で儲ける方法も確かにありますが(ボロ株の1円抜き)、安全に資産形成を試みるならばやはり自己資本比率30%以上というのは目安とした方が良いと思います。
※自己資本比率(%)=株主資本÷総資産×100
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